【コラム】詳しく知ろう⁂担保評価⁂
- cu
- 7月2日
- 読了時間: 3分
*担保評価の基準となる不動産評価額
金融機関は融資の返済が滞った場合に資金を回収するため、
不動産に抵当権を設定します。
その不動産を担保に取るといくらで売却できるかという評価
によって融資額が変わります。
担保評価が低い物件は借入金額が下がるだけでなく、
借入期間が短くなるなど条件が不利になります。
担保評価は購入する不動産の評価額が基準になります。
不動産評価額を算出する指標は、時価(不動産業者による評価額)、
土地の公示価格や相続税路線価などいくつかあります。
どの指標を重視するかは金融機関によります。
また建物の築年数が古いほど評価は下がります。
旧耐震基準の建築物だったり、違法建築に該当する部分があるとさらに低くなります。
総戸数が極端に少ないマンションも、担保としては高く評価されません。
*住宅ローンでは担保掛目を計算する
不動産の担保評価額は、次の計算式で算出します。
担保評価額=不動産評価額×担保掛目(%)
担保評価額は、不動産評価額よりも掛目に従って下がります。
これは将来的に不動産の価格が下がっていくとみられるためです。
担保掛目は60~80%程度が目安で、金融機関や借入期間などによっても変わります。
なお住宅ローンでは、担保評価額に借り入れる個人の属性評価を加味して
融資可能額(=購入可能額)が決まるのが一般的ですが、投資用不動産だと
不動産の担保評価額がそのまま融資可能額となることもあります。
・・因みに・・個人の属性も評価する住宅ローンの他に担保評価額だけで融資額を決める
不動産担保ローンもあります
*担保評価の計算式と例
担保評価を算出するには、土地と建物の評価額を算出します。
①土地の評価額=相続税路線価×土地面積
・相続税路線価:本来は相続税や贈与税の申告に使う土地の評価額。
公示地価の70%程度となる。
・・因みに・・路線価には税務署が所管する相続税路線価と市町村が所管する
固定資産税路線価がある。土地の担保評価では相続税路線価がよく使われます
②建物の評価額=再調達価格×建物面積×残存年数÷法廷耐用年数 (積算法による計算式)
・再調達価格:対象の建物を再度取得(新築・購入)するときの価格(円/㎡)
・法廷耐用年数:対象となる建物が一般的に使用できる年数のことで財務省
で決められている
経理ではこれを元に減価償却費を計算する
・残存年数:対象の建物が耐用年数になるまでの年数
③不動産担保評価=①土地の評価額+②建物の評価額
計算例 下記の条件での試算を行なってみます。
・土地面積:110㎡
・相続税路線価:25万円
・建物面積:220㎡
・建物:木造(耐用年数22年)
・築年数:16年→残存年数6年(22年ー16年)
・再調達価格:15万円
①土地の評価額=25万円×110㎡=2750万円
②建物の評価額=15万円×220㎡×6年÷22年=900万円
③不動産担保評価額=2750万円+900万円=3650万円
担保掛目が80%の場合の担保評価額=3650万円×80%=2920万円
以上、購入する不動産が担保として高く評価されれば融資をより多く受けることが可能です。

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